「ふーん」
黒瀬先輩の機嫌が悪い。
さすがに、その原因が解らない私ではない。
やっとの思いで収録を終えて、帰宅した。そして、今日あった出来事を話していくうちに、ウグイス先輩に会い、相談したことを伝えた。
すると、黒瀬先輩は口を閉ざしたのだ。
あ、しまった。と、思ったけど、すでに後の祭りだった。甘えたがりな彼のスイッチを入れてしまったのは、紛れもなく私自身だ。
「ゆらぎ。おいで」
黒瀬先輩に言われ、ゆらぎは素直に従った。
「あんまり、あいつの話するなよ……嫉妬する」
正面から、ぎゅっと優しく抱きしめられ、立ち竦む。



