黒瀬とゆらぎが付き合い始めた今でも、緑川は隙あらば彼女に近づき、惑わせる。
正直、ここまで諦めの悪いやつだとは思っていなかった。
だから、黒瀬が嫉妬して、ゆらぎを束縛し、溺愛するのは、緑川に奪われる不安感からくるものだ。
寮から出ることを渋るゆらぎを説得し、同棲を始めたのも、緑川から遠ざけ、彼女に必要以上に接近させないため。
……だったのだが、先日のホームパーティーと称した緑川の突然の自宅訪問は、黒瀬にとって実に耐え難いものだった。
二人の時間をとことん邪魔してやる、という魂胆が緑川の表情から透けて見えていた。
「先輩……、先輩? どうかしたんですか」
回想をしていた黒瀬の肩を軽く叩いたのは、愛しの人、ゆらぎだ。
「え? あ、ああ……。気が重いなと思ってさ」
「黒瀬先輩も緊張してるんですね……」
ゆらぎは黒瀬が緊張しているのだと勘違いし、彼を安心させようと微笑する。
いや、だから。違う。
付き合い始めてから気付いたことだが、ゆらぎは、かなりの天然だった。
最初は彼女のテンションの低さが、問題かと思っていたが、そうではないらしい。
恋愛に関して、今まで興味もなかったようで、あまりにも疎く、ゆえに危うい。
緑川に変なことを吹き込まれ、真に受けないように、彼女をしっかりと守らなければと黒瀬は思う。
「お二人の代表作になるよう、全力で頑張りましょうね!」
黒瀬の心労を知ってか知らずか、赤坂は嬉しそうに二人を鼓舞した。
正直、ここまで諦めの悪いやつだとは思っていなかった。
だから、黒瀬が嫉妬して、ゆらぎを束縛し、溺愛するのは、緑川に奪われる不安感からくるものだ。
寮から出ることを渋るゆらぎを説得し、同棲を始めたのも、緑川から遠ざけ、彼女に必要以上に接近させないため。
……だったのだが、先日のホームパーティーと称した緑川の突然の自宅訪問は、黒瀬にとって実に耐え難いものだった。
二人の時間をとことん邪魔してやる、という魂胆が緑川の表情から透けて見えていた。
「先輩……、先輩? どうかしたんですか」
回想をしていた黒瀬の肩を軽く叩いたのは、愛しの人、ゆらぎだ。
「え? あ、ああ……。気が重いなと思ってさ」
「黒瀬先輩も緊張してるんですね……」
ゆらぎは黒瀬が緊張しているのだと勘違いし、彼を安心させようと微笑する。
いや、だから。違う。
付き合い始めてから気付いたことだが、ゆらぎは、かなりの天然だった。
最初は彼女のテンションの低さが、問題かと思っていたが、そうではないらしい。
恋愛に関して、今まで興味もなかったようで、あまりにも疎く、ゆえに危うい。
緑川に変なことを吹き込まれ、真に受けないように、彼女をしっかりと守らなければと黒瀬は思う。
「お二人の代表作になるよう、全力で頑張りましょうね!」
黒瀬の心労を知ってか知らずか、赤坂は嬉しそうに二人を鼓舞した。



