わたし、BL声優になりました


「なっ! 不意打ちはズルいだろ」

 完全に気を抜いていたところに、ゆらぎからの不意打ちの言葉。今度は黒瀬が恥じらう番だった。

「さっきは言えなかったので」

 悪びれた様子もないゆらぎに、黒瀬は完全に白旗を上げ、降参する。

 この俺が勝てないなんて、俺様キャラも形無しだ。

 わざとらしく咳払いをして、黒瀬は気持ちを切り替える。

「……社長との話が途中だ。呼んでくる」

「そうですね」

 ソファから立ち上がり、二人は社長室を後にした。