……なんてね、と、冗談を言葉にするほどの想いじゃないよ。
男としてみてなかった。ただの友だちだと、思ってた。
……思わなきゃ、と思ってた。
だって、湊川はすごいんだもん。
湊川は、モテモテ。
でも、それよりも、優しくって、あたしがひとりだったら絶対声をかけてくれて、まわりのことをよくみてて、告白されても絶対適当にあしらったりはしないし。
……そんな湊川だから、魅力を感じるんだよ。
モテモテだからどうとかじゃ、ないんだよ。
「じゃあ、付き合ってくれる?」
「さぁね」
「えーっ!!」
……そんなの、言うまでもないよ。
「遥瀬」
湊川があたしの手をとって、立ち上がる。
ぐっと引き寄せられて、湊川の胸に飛び込んでしまった。



