「はぁ…」

屋上で一人寝っ転がって空を眺めていると

私の顔を誰かが覗き込んできた

「うわっ!」

いそいで飛び起きた

だって…目の前にいるのは

さっき読み聞かせをしていた
男の子だったから

「…ブッ、あははははっ」

「え…?」

何が面白かったのか分からないけど
男の子はいきなり笑いだした

「あーやばい…君面白いね」

男の子は目に溜まった涙を指で
拭いながらこっちを向いた

「…あ、あのー…誰ですか」

いきなり人の顔を覗き込んできて
爆笑するって…ちょっと失礼…

「俺?俺は桐田學。高校1年生。
あ、學って呼んで良いよ。君は?」

「…え…わ、私!?」

「うん」

ニコッと彼は笑った

私は學って言う男の笑顔に少し嘘くささを
感じつつも自分の名前を言った

人に名前を聞いといて自分の名前を
言わないのはもっと失礼だもんね

「瀬戸 南乃花、です…」

「南乃花ね。OK!」