君にサヨナラ

『南乃花。南乃花がおっきくなって
大切な人が出来たら、お花を送って
あげるんだよ』

「お花…?」

『お花には、一つ一つ花言葉って言う
意味が込められているんだよ。』

「花言葉…じゃあ、今南乃花が持ってる
このお花にも花言葉があるの?」

『もちろんあるさ。そのお花はね
マリーゴールドって言うんだよ。
南乃花が持っているのは黄色だから
“健康”って意味があるんだ』

「じゃあ、南乃花がこのお花持ってたら
元気になれるの?」

『もちろん。』

「じゃあ、これ南乃花のお部屋に
飾って!」


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久しぶりに花を見たら昔の事を
思い出していた

「“健康”か…結局良くなんなかったな…
お父さんの嘘つき…」

ボソッと誰にも聞かれないように
呟いた


お父さんは私が小学生に上がる頃に
癌で死んじゃった…

今は、その代わりにお母さんが毎日
朝早くから夜遅くまで働いてくれてる…


だから全然会いに来てくれない…


会いに来てくれても私の顔を見たら
直ぐに帰ってしまう…


会う度にお母さんはどんどん痩せこけて
行ってる…




私の為に働いてくれるのは嬉しい。

けど…

もっと自分の体を大切にして欲しい…

もっと色んな話をしたい…

一緒に買い物行きたいな…



「ここでいいかな?」

自分の病室に戻りもらった花束を花瓶に
入れて少し陽の当たる窓際に飾った


太陽の光に照らされて
オレンジ色のディモルフォセカと
黄色のミムラスがキラキラ輝いて見えた