【種山ケ原の牧歌】

種山ケ原の牧歌だ。
長月遥はイデアルと久しぶりに会食。

ランチだ。
イデアルはゼミで遠野物語を調べているところらしい。

「遠野ってどんなところ?」
「ふたつの特徴をもつ。
まずは近代日本が発見した場所だ。かつてはありふれた、ところに民俗伝承はあったのだよ」
「近代化は急速でしたものね」
「そうだな。
文芸もまた近代化により変化をした」

長月遥はランチを見る。タラのフライ。シーザーサラダ、紅茶、程よく焼けたパン。

ランチをイデアルとともに大学の近くのカフェで食べていた。長月遥はヘッドホンで、イーハトーヴ交響曲を聴いたことを思い出す。それははるかむかし。おはなし。

去来の雪。過ぎた歳月。
太陽がカフェをうつしていた。