池の周りには
光で作られた桜の木があって
それを取り囲むように
木の根元には色とりどりの
光の花が咲いていた。


「玲央、ありがとう…。」


ここへ来てから
何度お礼を言ったのか分からない。


でも、感謝の気持ちを
伝えずにはいられなかった。


だって玲央は
何も言わずとも
私の欲しいものを全部くれるから。




「ん?なんで?
むしろ俺がありがとうじゃない?
俺が来たかったんだからさ!」


なんてとぼける玲央。
でも、自惚れでもなんでもなく
気付いちゃってるんだよ、私。


これが私の為で、
その言葉は私への優しさだって事。



それを知った時
この体の中から溢れてくる感情に
名前を付けるなら
これはきっと”恋”って言うんだろうな。