沖「さあ、ここです。いいですね?」



沖田は再度確認した



美「ふっ、もちろんだ」



そういって美夜は店に入っていった





「いらっしゃい、刀、お探しかい。自由に見ていくとええ」



そういって店主であろう男は奥に入っていった



美夜は刀を手に取り構えたりしながらどれがいいか決めていた



美(なかなかしっくり来るものがないな)



沖「すごくきれいな刀があります」



沖田がそう言うのを聞いた



いってみるとそれは濃碧色と紅色の桜の飾りがそれぞれについた二振りの長刀だった



美「これが、いい」



美夜は直感的にそう感じた



この何とも言えない物悲しく妖しい光を帯びる刀に美夜は引かれていた



握ってみると恐ろしいぐらいにしっくり来た


その長刀二振りを店主のもとに持っていくと店主は目を見開いた



「おまえさん、この二振りの刀触れてもなんともなかったのかい?」



美「え?あぁ、それどころか恐ろしいぐらいにしっくり来た」



沖「なにか、あるんですか?その刀には」



「、、この刀は元々大刀だったらしい、ある陰陽師の刀やったと聞いている。それが陰陽師の死ぬときに真っ二つ折れたんや。それをその知り合いだった私の祖父が二振りの長刀にしたと聞く。だかなぁ、それに魅せられてさわった客は恐怖に怯えながら出ていったものや、雷に打たれたように動かなくなったもの、様々だった。それ、おまえさんに譲ろうや。きっとその刀らはおまえさんと居たいんやろう」




美「いいのか?」


「あぁ」



美夜は沖田を見た



沖田はうなずく



美「大事に使う。ありがとう」



「そうしてやってくれや。 あぁ、それは濃碧は右、紅は左ようだ。いわば両利きようだがいいかい?」



美「、、、そうか、、問題ない。大事にする。では」



そういって店を出た