呉服屋を出て歩いていると沖田が真剣な顔をして美夜に話しかけた


沖「美夜さん、これから刀を買いに行きます。 あなたの刀です。」


美「はい」


沖「私達はあなたが言ったように志をもって生きています。だからこそ刀を振るうのです。だからこそ信頼し合えるんです。」


美「、、、」


沖「美夜さん、あなたはなんのためにここにいるんですか? あなたはなんのために刀を持つのですか? 正直、あなたはどこから来たのか、あなたの正体、不明な点は多いです。私はあなたに何の考えもないのであれば、人を殺める前に、重いものを背負う前にここを立ち去るべきです。今なら私は止めません」



美「私は、、私はあなたたちの敵じゃない。それハッキリと言える。 始めはいく場所もないから屯所に居ようと思った。だけどいままで過ごしているうちに、心地よいと思えたんだ。こんなこと感じたことがなかった。」


美「土方の小姓をしていて部屋の汚さに少しイラッと来るときもあるけど、最近お茶がうまいって言われて少し嬉しかった。一さんとのお昼の桜をみながらのお茶はとても好き。三バカのこと見ているのはうるさいけど飽きないし、山南さんと本の話は有意義だ。それに沖田との稽古は楽しい。他にもある。」



美「何だかんだ、好きでここにいるんだと思う。ここでだったらきっといきる理由が見つけられるような気がするから。人を、殺せるかどうかはそのときにならないとわからない。けど、志はないけれど沖田の言う"私達"と共にいれるなら刀を持とうと思う。」



沖田は少し驚いていた


美夜がこんな風に考えているとは思ってみたかったからだ



沖(なんだ、心配は要らないじゃないですか)




沖「じゃあ、行きますか!美夜さん」


沖田は少し嬉しそうに笑いながら言った。


美夜はそんな沖田を不思議そうに見つめ頷いた。