彼は不器用に私を甘やかす



『あの、お断りします。』

「まぁ、そうですよね。
やはり信用ができないからですか?」

『あ、分かってるなら良かったです。
あまりに怪しすぎるので今日は帰ってほしいです。」

「ははっ、結構ストレートに言いますね。」


スッと目を細めてこちらを見る佐々木さんにヒヤリとする。

やば、怒らせた?

さっきまでニコニコしてたのに。
部屋の気温少し下がった気がする。


「・・・このアパートにクルメ マイカという人物が住んでいること。
会ったこともない私が貴方を見てクルメ マイカだと判断出来たこと。
あなたのバイト先に連絡出来ること。


意味分かりますか?」



『あ、ストーカーですか?車のナンバーと一緒に警察に連絡しますね。』


「・・・チッ」


今舌打ちした!?
本当に警察に通報しようかしら。


『とりあえず母の遺書があるらしいことが分かったのは嬉しいです。ありがとうございます。さ、用事は終わりましたね?帰ってください。』


玄関に続く扉を開けて彼に帰るように促す。
ため息を吐いた彼はジャケットのポケットからメモとペンを出し何かを書いて渡してくる。

連絡先?


「気持ちが決まったらここに連絡をください。」

『・・・。』


「では、また」と綺麗な一礼をして帰る彼を見送った。