ヴァンパイア夜曲


ーーぐらり…!


ギリギリで張っていた糸が切れるように、倒れゆくランディの体。

とっさに受け止めたシドは、彼の表情を見て、はっ!とする。


ランディの瞳は、ヴァンパイアの深紅の色に染まっていた。

それもそのはずだ。純血であるゴードルフの血を引いた息子なら、人間になりきれるはずがないのだから。


「チッ…!ダンピールだったのか、てめぇ!めんどくせえもん背負いやがって…!!」


眉を寄せるシドに苦笑するランディ。

しかし、やがてそんな余裕もなくなる。

噛み付かれた首筋から流れるランディの血。シドが来る前にも、多くの血がゴードルフに奪われただろう。

いくら人間の血が半分混じったダンピールといえど、こんなに自らの血が流れれば“吸血欲”が目覚めてしまう。

血に飢えれば、スティグマになることも否めないのだ。

シドの瞳に映ったのは、ゴードルフを撃ち抜いた銀の拳銃である。


…と。シドの脳裏に、最悪のシナリオがよぎった

その時だった。