「やっぱり、あなたもヴァンパイアだったのね」
「ふふ。気づいてたんだ?」
彼に誘われるようにベンチに腰掛けた私は、隣に座った彼を見上げる。
銀髪に映える深紅の瞳は、まるでアルビノのようだ。
「吸血欲は強くないんだけどね。僕の体に流れるヴァンパイアの血は“純血”だから。人間にはなりきれないみたいで」
小さく笑った彼は、目元を抑えて呟いた。この姿になることを受け入れているようだが、私はおずおずと彼に尋ねる。
「アルジーンには、言っていないの?」
「あぁ。僕の体質を知っているのは旦那様だけさ」
“…今日は“満月”だ。最近は街も治安が悪い。あまり夜に出歩くんじゃないぞ”
確かに、ゴードルフはランディが満月の夜にヴァンパイアになることを知っているようだった。
満月の夜にならないとヴァンパイアになれない彼は、この姿を見せるために今夜、私をここに呼んだらしい。
「ねぇ、レイシアちゃん。僕も一つ、聞いていいかな?」
ふっ、と彼を見上げると、頬杖をついた彼は優しげな眼差しで口を開いた。
「君とシドは、どういう関係なの?」
「えっ!」
「“ただの旅仲間”…って、感じじゃないよね?」



