「な、な、なぜ従者がここに?!!早くこの“人間”をつまみ出せ!!」
慌てふためき、叫ぶタンリオット。
しかし、そんな彼を睨み返すシドの瞳が“深紅”に染まる。
「…うるせぇな…」
「ひぃっ!!ゔ、ヴァンパイアだと…っ?!!!」
初めて見るシドの姿。薄い唇の合間から鋭い牙が覗く。呆気にとられて言葉が出ない。
すると、状況が掴めない中、ルヴァーノの声が式場に響いた。
「タンリオット。君、断りもなく、俺の妹に手を出したそうだね」
「ひっ!」
「君のお父さんに頼まれたんだ。王からの命ならばしょうがないからね。俺がお仕置きをしてあげよう」
『…私は、あいつを少し甘やかして育ててしまったようだな。この城の王位継承者はタンリオットだけ。…あいつには、近々、何らかの“キツいお灸”をすえなくては…』
脳裏をよぎるのは、かつてのセオドルフ王の言葉。
(まさか、“キツいお灸”って……!!)



