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小さな電子音が響く診療所。
ベッドの上で、碧い瞳がゆっくりと瞼を開ける。
(ここ、は…)
ぼんやりとした視界の中、はっとこちらに気づいたランディが、目を見開いて声をあげた。
「シド…!よかった!気がついたんだね…!!」
そこは小さな病室だった。
ベッドサイドに腰掛けていたランディは、緊張から解き放たれたように深く息を吐く。
窓の外は真っ暗だ。
「俺、夜まで眠ってたのか…?」
「何言ってるの!!一週間も眠ったままだったんだよ!」
ふくれっ面を見せるランディ。
どうやら、ローガスの居城から戻った後、だいぶ時間が経ってしまっているらしい。
体には包帯が巻かれ、腕にはチューブ。
しかし、体の感覚ははっきりしていて血の通っている温かさもある。足や指もちゃんと動かせるようだ。
「気がついたか」
その時。コツコツと白衣の青年が歩み寄ってきた。耳元に光る彼のピアスがシャランと揺れる。
「ルヴァーノ……」
「気分はどうだ。吐き気はあるか?」
メガネを押し上げたルヴァーノに、シドは胸を撫でながらぽつりと答える。
「体は思ったよりも楽、というか…。むしろ、いつもより力が込み上がってくるような…」
すると、戸惑うようなシドの答えに、ルヴァーノはさらりと言い放った。
「そりゃそうだ。君の体には、純血であるレイシアの血が流れているからな」
「!!」



