ヴァンパイア夜曲



『黙ってさっさと俺に溺れろ』


彼はそう言って私に血を差し出した。


『俺はお前に血も心も奪われてんだ!俺だってお前を欲しくなって当然だろ!』


初めて、彼が本音を言った。


『俺はお前に惚れてるから、全てを差し出す覚悟がある、ってこと。…覚えとけ』


私はまだ、その答えすら伝えられていない。

ずっと、ずっと、私も同じ気持ちだったのに。

ぼろぼろと流れる涙。

もうシドの声は聞けないのだろうか。もう二度と私に触れることのない指。動かない体。

全てが悪夢のようで、息ができない。


神さま、お願いです。

助けて。

シドを助けてください。


私の愛するただ一人を助けてください。

もうこれ以上、大切な人を奪わないで。


泣きじゃくりながらひたすら神に願い続ける私を、ルヴァーノが苦しげに見つめた

その時だった。