ヴァンパイア夜曲



パァン!!


はっ!としたその時、ローガスの胸を撃ち抜く銀の弾丸。

銃口を構えているのは、立ち上がれずとも届けられた拳銃を握って離さない、満身創痍のシドだった。

床に落ちていた拳銃を這うように手にしたシドは、標的を外すことなく仕留めたのだ。


ザラ…ッ!!


力尽き、灰となって消えゆくローガスの体。

呼応するように、プツン!と切れたロザリオの鎖。

床に落ちたロザリオを拾い上げたローガスは、小さく息を吐いて抱きしめる。


(…天に、還っていく…)


最後の涙がこぼれ落ちた。淡い光に包まれるローガスは、そのまま空気に溶けるように見えなくなっていく。

やがて、玉座がしぃんと静まり返った。

彼の遺したオルゴールは、力尽きたようにプツリと途切れ、そのネジを止めていた。


シドの手から拳銃が滑り落ちた。

かくんと意識を失うシド。

ローガスにやられた腕を押さえてすがりつくように駆け寄ると、彼はすでに虫の息。

引き金を引くことに全ての力を使ったようだ。


「シド…!シド!!」


いくら呼びかけても、返事はない。

彼の碧眼は閉じられたままだ。