おずおずと通信機に向かって返事をすると、スピーカーから聞こえてきたのは、陽気な青年の声だった。
『あれっ?女の子?……嘘、間違えた?……ん?やっぱり、コードは合ってるよなぁ…』
「あっ、あの、合ってます!これ、シドの通信機で…。ごめんなさい、勝手に出ちゃって」
『んんん??あのシドが女の子と一緒にいるの?どういうこと?君は一体?』
ひどく動揺している様子の青年に今までの経緯を説明すると、彼は『あはは』と笑って納得したように言葉を続けた。
『なるほどねー!君が代わりに出てくれたってわけか。初めまして〜。グリムリーパーのオペレーター担当ウォルマーです。よろしく〜』
明るい声が響き、緊張が解ける。
どうやら、彼はシドの助手兼専属オペレーターのようだ。グリムリーパーのホームから離れて任務に当たるシドに本部からの連絡を伝えるのは、全て彼の仕事らしい。
そういえば、修道院にいた頃もシドが通信機の向こうと会話している場面を見たことがある。あの時も、ウォルマーと話していたのだろう。
その時、通信機越しのウォルマーがぽつりと呟く。
『あー、でも、シドが不在とは厄介だ。少しヤバいなぁ』
「え?」
『シドは今、薔薇の廃城の犯人とやりあってんでしょう?ってことは、交戦中だよね?』
「ええ。たぶん、まだ決着はついていないと思うけど…」



