パァン!!
開戦の合図のように、銀の弾丸が放たれた。
玉座に鳴り響くシドの銃声。
ローガスが腰に下げていた剣で弾丸を弾くと同時に、大理石を強く蹴ったルヴァーノが拳を振り上げる。
重い打撃を腕で受け止めるローガス。踏ん張る足元の床に、ビキッ!と大きな亀裂が入る。
『ガァァッ!!』
力任せに振り切ったローガスは次の一打を繰り出す前の隙を突き、ルヴァーノへ爪を振りかざした。
引き裂かれる白い軍服。
飛び散る鮮血など気にも留めず、ルヴァーノは好戦的な表情で自らの肌を裂いた男の腕を掴んで引きよせ蹴り飛ばす。
勢いよく壁に吹き飛んだローガス。
打ち付けられたローガスの体が沈むと同時に、シドの狙いすまされた銃口が向く。
繰り出される連射に、銃の魔法石がキラリと光った。
しかし、その全てを紫紺のローブで弾き返したローガスはシドに向かって強く床を蹴る。
瞬きの間に目の前へ迫るローガス。
シドの碧眼が見開かれた瞬間、とっさにシドを蹴り飛ばしたルヴァーノが、ドッ!とローガスの攻撃を受け止めた。
一進一退の攻防。
2対1だとはいえ、敵のレベルが違う。奴は並みのスティグマではないのだ。
「おい!気ぃぬくなバカ野郎!死ぬまで撃たなきゃ殺られるって言っただろ!!」
切迫したルヴァーノの指示が飛ぶ。
次の瞬間。シドを庇ったルヴァーノへ、ローガスの牙が突き立てられた。
「がは…っ!」
白い軍服が赤く染まる。
痛みの声とともに顔を歪めたルヴァーノ。しかし、とっさに蹴り上げ、反動を利用してローガスを突き放す。
「シド、迷うな!俺ごと撃て!!」
深紅の瞳で怒鳴るルヴァーノに、シドは素早く銃の引き金を引いた。弾丸の雨が乱れ飛び、ローガスを抑えるルヴァーノもろとも吹き飛ばす。
削られる大理石。
視界が遮られるほど立ち上る土煙に、ばさりと紫紺のローブがはためいた。



