声をかけられ、ぴょこ、とシドを見た青年は、ぱっ!と笑みを見せて声を弾ませる。
「シド!なんだ、君か…!どうりで、通報を受けてすぐに駆けつけた割にはスティグマが少ないと思った。」
「“通報”?…あー、さすがノスフェラトゥの幹部だな。騒ぎが起きればいつもこうなのか?」
「まーね。…やっぱり俺の勘は正しかったな。君とはまたすぐに会う予感がしていたんだ。」
仲よさげに言葉を交わす二人。
レイピアをしまったランディは、眉を寄せて声をかける。
「…シド。彼は誰だい?いつの間にノスフェラトゥの幹部と知り合いになったの?」
「あぁ。今朝はこの人に会いに行ってたんだ。ルヴァーノはお前がスティグマになりかけた時に救ってくれた医者だぞ。」
シドの言葉に、ランディは曖昧だった記憶がはっきりしたらしい。
“その節はどうも”、と手を差し出すランディも、どうやらピアスの青年と知り合いのようだ。
青年は、握手を交わしながら艶っぽく笑う。
「あぁ、君はいつぞやのダンピールだね。再会できて嬉しいよ。」
「こちらこそ…!まさか命の恩人と会えるなんて思ってもいませんでした。改めてお礼を…」
「あー、気にしないでよ。医者として当然の責務を果たしただけだから。…それにしても、ベイリーン家の執事がシドの仲間になっていたとは驚いたな。旅のことはシドから少し聞いているけど…今は、二人旅を?」
…と、青年がふと世間話を始めようとしたその時。にこりと笑い返したランディが、すっ、とこちらをさして言葉を続けた。
「いや、今は“三人”で。…彼女も、旅の仲間なんです。」



