日付が変わる頃家に帰った。

 玄関のドアを開けるとすぐに、まだ起きていた母に、
「おかえり、あんた明日は仕事でしょ、さっさと寝ないと」
 と息付く暇もなく急き立てられた。

 たしかに、ここで一息ついたら動けなくなりそうだった。
 考えたい事は山ほどあった。
 けれど、疲れた肉体では考えたくはない事ばかりだった。