「僕は、そうですね。うーん、いつか自分の描いた漫画で、生きていきたいとは思っていますね」

「えっ、そうなの?」

 御曹司の意外な夢に驚く。
 漫画「で」生きていく? 本気で言っているのだろうか。

 愛里が解釈してみるなら、きっと尚貴は家がものすごいお金持ちで、一生遊んで暮らすこともできて、だから漫画「を」描いて生きていたい、ということを言っているのだろうか。