はなやんはビールを喉にかっと流し込むと、
「私は完全に趣味だな。その代わり、好きなものを好きなように描いて、好きに発表するって決めてる!」
「それもいいよね」
はなやんのスタンスは、愛里にもごく自然にわかるし否定もしない。
新人賞をとってデビューすることだけが創作ではない。
Twitterを見ていれば、はなやんは仕事やプライベートがとても充実しているのだということがすぐにわかる。
はなやんが長年描き続けている漫画は、はなやんが生活している中で日々思ったことを描いていく日記のようなエッセイ漫画で、新人賞を本気で狙おうと思ったら賞に合わせて描き直しが必要になる。見せ方にももっと工夫が求められるだろう。はなやんはそういうことは考えずただただ楽しく描きたいといつも言っていた。



