「なおさんは、どんな漫画家になりたいの?」

 キャラカクテルを通して創作談義に花が咲いて、止まらなくなっていた。

「僕は、たくさんの人を楽しませる漫画家になりたい」
「たくさんのって、どれくらいの人に買ってもらいたいの?」
「うーん、一作十万冊くらい」
「十万部ね。それだけ売れたらドル箱扱いっていうもんね。私も同じところが目標だよ」
「そうなんだ。同じだね」
「そう、同じ」

 目を閉じて、想像してみる。

「それだけたくさんの人が面白いって感じて、アニメや実写映画にもなって、ますます多くの人が期待するようになって……そんな漫画家になりたい」
「いいね」

 尚貴が微笑む。
 愛里は少し悩んでから、でも同じ目標の相手だからと言うことにした。

「なおさんの作品、初め読んだときはよくわかんなかったんだ」