食事のあとはプライベートバーで楽しい打ち上げだ。

「バーは地下にあるんだ。行こう」

 前を歩く尚貴に続いて暗めの階段を下りる。当然のように地下室があるらしい。

 荷物などは全て郡山が持ってくれて、後ろからてくてくついてくる。
 さきほど郡山に歩き方まで指導されたので、本当は後ろを歩いてほしくない愛里だったが――

(今頃チェック、チェックって……何を思われているやら)

 それにしてもこのお屋敷、広い。移動だけで体力を消費する。高校の頃の、美術や音楽の授業のための移動教室を思い出した。ごはんが美味しすぎてたくさん食べてしまったから、いい運動になるけど。