スタッフ一同に見送られながら店を後にする。

 店の外で待機していた郡山を連れて駐車場に戻り、愛里と尚貴が車の後部座席に乗り込むと、何も言わなくても勝手に進み始めた。

 これからなおさんの家にお邪魔するんだった。
 うーーーん、うーーーーーーー……

 だめだ。
 さすがに疲れてしまった。

 だって今日は、フジタに呼ばれて着慣れないスーツ(しかも新調したやつ)を着ていって、探検していたら怖い目に遭って、それでさっきまで超が付くほどの高級料亭でご馳走になっていたのだ。

 それでこれからさらにご実家にお邪魔する……。

 ちょっと、キビシイかも……。