外に出て、バスも待たずに研究等の方へと歩く。たしかに離れるとロクなことがないことがわかった。尚貴の元に戻ろう。

 日はだいぶ傾き、西日になっていて少しだけ風が涼しい。それでも歩くには暑いけど、ここから一刻も早く離れたい一心で歩き続けた。木々で彩られた商店街(服屋や床屋まであった)を汗だくになりながら突っ切ると、尚貴と別れた研究棟が見えてきてほっと力が抜ける。

 自動ドアを入り、涼しい空気に一息つきつつ、とりあえずロビー横の自販機でドリンクを購入し一気に呷る。はー。

 さて、と。
 尚貴はどこにいるのだろう。