◎あなたのサークルは、世間知らず御曹司の隣に配置されました。


「もう引き離そうったってそうはさせないからね、郡山」

 尚貴は郡山を恨むというよりも、天敵から身を守るように、愛里の傍に立つ。
 尚貴との距離が近くなり、思わぬ圧迫感にどきりとする。
(……なおさんって背、高いんだな……)
 割と小柄な社長と歩いていたからか、尚貴の背の高さに驚かされる。それと英国風チェック柄のブラウンスーツをビジネスの場でも自然に着こなす人を初めて見た。今はそれどころではないというのに、華麗な姿にすっかりまた見惚れてしまう。普段何の仕事をしているのだろう? デザイナーとかクリエイティブディレクター(?)だとしたら、違和感ない服装だけど。