「えっ、来ていません」 なおさんは、私にメールを送ってきていたの? それに対しても郡山が涼しい顔で淡々と告げる。 「愛里様の端末内から、尚貴様に関する情報の受信を全てブロックさせていただきましたので」 ブロック!? なるほど、だからだったのか。 愛里が連絡先を消されていても、尚貴が連絡を取ろうとその気になればいろいろ手段があると思っていた。それなのに、取引先や関係会社にメールをばらまくというこんな大掛かりな捜索をしなければならなかった理由はこれだ。