◎あなたのサークルは、世間知らず御曹司の隣に配置されました。


 その時だった。
 廊下から、どたどたと足音が聞こえてきた。

 愛里は、悟った。
(ごめんなさい、信じられなくて)
 
 扉が勢いよく開いた。

 半泣きで、飛び込んできたのは、
「やっと、やっと、会えた……エリンギちゃん!!」

 チェック柄のブラウンスーツに身を包んでいるのが、なんとも彼らしく似合っている。

「なおさん!」


 郡山の口から、チッと舌打ちが聞こえたような気がした。