その時だった。 廊下から、どたどたと足音が聞こえてきた。 愛里は、悟った。 (ごめんなさい、信じられなくて) 扉が勢いよく開いた。 半泣きで、飛び込んできたのは、 「やっと、やっと、会えた……エリンギちゃん!!」 チェック柄のブラウンスーツに身を包んでいるのが、なんとも彼らしく似合っている。 「なおさん!」 郡山の口から、チッと舌打ちが聞こえたような気がした。