なーんだ。 愛里の口から、ついにふうっとため息が漏れ出てしまう。 なんだ、なんだ。 ……なんだ。 わざわざ……オーバーなのよ、もう。やんなっちゃう。 愛里の胸の中に、失望とやるせなさが渦巻いていく。 ま、でも、元に戻るだけだ。また夢を追う毎日に戻るだけ。 私は漫画家になりたいとただそれだけを望む女の子で、だからこんなのどうだっていいんだ。 だけど、そうだとしても、 なおさんにもう一度だけ……会いたかったんだけど、な。