天井から膝下までの高さの大窓があり、高層ビルからの景色を一望できたので、愛里は興味深く眺めてみる。敷地内はテーマパークのごとく、ところどころに緑が配置されていて、天から見ても美しく整備されていた。 なんだか本当に別世界に来たようで、今日の午前中まで自分がベルトコンベアーで流れてくるネジの計量作業をしていただなんて、夢か幻だったような気さえしてきた。 ノックの音がして、びくっとしてドアの方を社長と二人同時に向く。