「スーツは持っているかな? 帰って着替えてきて!」 「え、スーツ!? 今からですか?」 愛里は普段、家から着てきた汚れてもいい服にエプロンをかけている。たしかにこのまま行くのはちょっと嫌だったが、そうかスーツか。 「ああ。タイムカードはそのままでいいから」 「わかりました」 「僕が君の家まで車で迎えに行くから、それまでに準備するんだよ。いいね?」 「はい」