「あと二分!!」
「ひゃー」

 細かい配置は開場後でもできなくはない。座ってできるような作業は後回しにして、キャリーバッグを閉じるとか、ポスターの筒を転がらないように固定するとかそういう大きなことを終わらせる。
 敷物もしわなくまっすぐ敷いて、
 頒布物の漫画本は立てて並べるのと平置きと両方揃ったし、購入者特典のポストカードの置き場所も確保。卓上看板も立った。

 どうにか一分前には片付いた。

「なんとか、大丈夫そうですね。これで……」
「本当に、本当に、ありがとうございますっ!」

 憂いた姿も美しかったが、優しく温かく微笑む様子は天使か女神のようだ。

「いえ、ここでは助け合いですから」
 こんな素敵な人を助けられて、私も幸せだよ。なんて。