「私、今日から透様の推しになるわ!!」
教室にいたケバい女たちが騒ぎ出した。
「…お前ら静かにしろ。」
少しイライラし始めたその瞬間、隣りからものすごく低い声が聞こえてきた。
そしてまたシーンとなる教室内。
…さすが元楽龍だな。
「さ、透さん!そこの空いてる席にどうぞ!一応、桜龍の近くの席にしときましたよ。」
最後だけボソッと俺の耳元で話す。
「あぁ、サンキュ。」
俺は空いてる席──窓際の1番後ろの席に向かった。
俺の席の周りにある6つの空席があるってことはここが桜龍と現姫の席か。
そういや元姫もこのクラスなんだよな?
どの席なんだろ?
…春樹に聞いとけばよかったな。
「じゃあ、お前ら!今日も1日自習がんばれよ〜」
そう言って春樹が教室から出ていくと、また一気に騒がしくなる教室。
俺はあれこれ質問してくるヤツらを無視して空いてる6コの空席を見た。


