ゴホンと咳払いをして俺は話を元に戻した。
「あっうん!」
蛍も慌てたように頷く。
「えっと姫華は私の前と桜龍のみんなの前とじゃ態度が全然違ったんです。」
蛍がそう言うとなんとなくみんな察したようだった。
琉貴は露骨に顔しかめてるし。
まぁ俺らも高校時代は結構騒がれてたし、いろいろあったから女子の陰湿さは分かってるつもりだ。
「でもそれだけで愛澤さんを疑ったわけじゃないんだよね?」
美乃里がいつにも増して真剣味を帯びた声で聞く。
さっきまでの美乃里と本当に同一人物かと疑うレベルで、蛍も驚いている様子だった。
…美乃里も過去にいろいろとあったから仕方のないことなんだろう。
蛍はなにかを感じたのかすぐに美乃里をまっすぐ見てコクリと頷き返した。
「私が姫華に盗聴器を見つけてそれを仕掛けたのは姫華だと思ったのは桜龍を追い出された日がきっかけなんです。」
そう切り出した蛍は静かに淡々と話してくれた。