そのまま校舎内に入るととりあえず理事長室に向かった。
理事長室にノックをせず入ると。
「はぁ…やっと来たか。透(とおる)」
ため息まじりに俺の名前を呼ぶ声が聞こえた。
「おう、遅れて悪いな。昴(すばる)」
「…お前絶対悪いとかおもってないだろ。」
「まぁな」
「相変わらず変わんねーな。そのマイペースなとこ。」
「そうか?」
「まぁ、とりあえず春呼ぶから待ってろ。」
「おぉ」
そして昴は机の上にあるボタンを押した。
ピーンポーンパーンポーンと聞き覚えある音が鳴り昴がこれまた机の上にあったマイクを通して喋りだす。
「1年A組、藤田先生。至急理事長室へ来てください。」
それだけ言って放送を切ると昴はフーと息をついた。
「結構ちゃんと理事長やってんのな。」
俺が笑いながらそう言うと「まぁな」と昴も笑って返してきた。
「ここのヤツらにはあのこと言ってないしな。」


