先生、ダメですよっ。

ーー違う。


私は、清川先生が少し切なげな表情を浮かべたのを見て、思わず目を逸らした。


私だってきっと、先生のことが好きなのだ。


それは、ついさっきからなのかもしれないし、もしかしたらずっと前から好きだったかもしれない。


いずれにしろ、この気持ちは真実だ。


「ホント、悪かった。…俺のこと、不真面目な教師だと思ったよな?」


清川先生はそう言いながら、数学研究室から出て行こうとする。


ーー何か言わなくちゃ。


なのに、声が出ない。