「ふふふっ」

「あー、また笑った」

「だって、おかしいんだもん。ひかりが真面目なこと言うの」

「…私って、普段そんなにバカっぽい?」

「うん、バカだよ」

葉月があまりにもハッキリと言い切ったので、私はショックを隠し切れなかった。

「その言い方はあんまりだよ…」

「あはは、やっぱりいつものひかりのほうがいいよ。愛嬌があって。私はいつものひかりが好きだよ」

「なんか…素直に喜べない…」

お風呂から出ると、葉月のお父さんが帰ってきていた。

「あ、君が葉月の友達の…」

「は、はい!篠宮ひかりって言います。今日はお邪魔させてもらって…」

「ははは、そんなにかしこまらなくて大丈夫だよ。これからも、葉月のことよろしくね」

「あ、はい!」

葉月のお父さん…すっごく優しそうな人だなあ…。

私には、お父さんがいない。