「だってさ、普通は誰かに殺されるなんて知ってたら、そんなに笑っていられないでしょ?」

「まあ確かにそうだね…。でも、このことを知っているのは私だけじゃない。ひかりがいる。ひかりも私が殺される未来を変えようとしてくれている。それに、颯君も守ってくれたしね。だから、笑っていられるんだよ」

「…そっか」

葉月は、そんなに私のことを信用してくれているんだ…。

それなのに、私はずっと葉月に隠し事をしている…。

田鍋さんのことを……。

「あのね、葉月…」

「うん?」

「あの………………」

もう、言ってしおうか。

いや、でもあのことを言ったとして、一体誰が得をするというんだ?

私の心が少し楽になるだけ。

葉月は、私のせいで自分が殺されるかもしれないんだと知る。

自分は、何もしてないのに。

それを知ったら、葉月はどんな気持ちになる?どう思う?

葉月のことを傷つけるだけではないだろうか?

やっぱり、言えない。