今から私達は学校の外に出るのだ。

誰がいつ突然襲ってくるかわからない。

私は、葉月の手を握った。

「ちょっと、手を握るなら私じゃなくて颯君でしょ」

と葉月が言う。

「でも、今は葉月を守らないといけないから」

私がそう言うと、葉月はまた照れくさそうに笑った。

今朝は私と葉月の二人だけだったけど、今は颯がいる。

男子がいるだけで、なんだかとても頼もしく思える。

ずっと三人でいたお陰か、葉月に襲う素振りを見せる者は誰もいなかった。

そして、私達は無事葉月の家に着くことができた。

「よかったな、なんとかここまで来れて」

颯が言う。

「うん…」

「なんだよ、ひかりが浮かない顔してどうするんだよ?」

「そうだよ?」

葉月も言う。

「だって…まだ襲われる可能性が消えたわけじゃないし…。ねえ葉月、今日泊まっていってもいい?」

「え!」

葉月が驚く。

「大丈夫だよ、そこまでしなくても。家にはお父さんもお母さんもいるんだし」