「どこ行くの、ひかり!」

葉月が私の腕を掴む。

「離してっ!!家に行かないといけないの!!」

「授業は!?どうするの!?」

「早退する!!」

「先生にはなんて言うの!?」

「それは…頼んだ!!」

私はなんとか葉月を振り切って、学校を出ていった。

お母さん、お母さん…!!

家に着くと、何故か玄関のカギが開いていた。

どうして…!

うちはいつも、カギはちゃんと閉めているはずなのに…!!

「お母さん!!」

リビングへ行くと、お母さんが倒れていた。

遅かったか…。

また、また私は何も守ることができなかった……。

「うう…」

お母さんが、弱々しく声を出した。

「お母さん!」

良かった、生きていた!

「お母さん、大丈夫!?」

「え、ええ…」

「一体何があったの…?」

「いきなり後ろから誰かに殴られて……」

「誰かって?」

「さあ…突然だったから顔までは…」