「大丈夫だって。だって、ひかりの予感はいっつも外れるもん」

「そっか…だよね…。だといいんだけど……」

その時、田鍋さんが遠くからこちらを見てニヤッと笑う姿が見えた。

「ひっ…!」

思わず、私は小さな悲鳴をあげた。

「どうしたの?ひかり」

「な、なんか今、田鍋さんが……」

「田鍋さんがどうかしたの?」

そう言って、葉月は田鍋さんのほうを見る。

さっきと違い、田鍋さんは楽しそうに友達とお弁当を食べている。

「何も変わったところは見られないけど……」

「そ、そっか…。勘違い、だったかも…」

私はそう言ったが、絶対にあれは勘違いなんかじゃない。

さっきの田鍋さんの不気味な笑顔…。

また、何か企んでいるのではないのだろうか?

「そういえば、先生もひどいよね~。スマホ、放課後まで没収って。スマホなんて、みんな普通に電源つけてるし。ていうか、電源つけてなきゃいざってときに迅速に対応できないかもしれないのにさ~」

「だ、だよね~」