「颯君は見た目も中身もかっこよくて、バドミントン部でも大活躍している。対してあなたは?あなたは成績は下の下だし、帰宅部で委員会にも入っていない。学校に何も貢献できていない、それどころかクラスの平均点を下げている足手まとい。そうでしょ?」

何も言い返すことができない。

田鍋さんが言っていることが全て合っているからだ。

「でも、私は違う。私は成績優秀だし、生徒会にも入っている。私のほうが、颯君の彼女に相応しい。そう思わない?」

「それは…違う」

「は?」

「それは、違う!」

「はあ?何を言ってるの?あなたのほうが颯君に釣り合ってるとでも言いたいの?」

「ううん、田鍋さんの言う通り私は颯に釣り合ってない…と思う」

「じゃあ…」

「でも、田鍋さんのほうが釣り合うから颯の彼女に相応しいなんておかしい。颯が誰と付き合うのかは、颯が決めることだよ!」

私がそう言うと、田鍋さんは唇を噛み締め悔しそうな表情を見せる。

田鍋さんはそれ以上何も言わず、その場を離れていった。