体育の授業が終わり、私達は更衣室で着替えていた。

「ひかり着替えるの遅ーい。先に行っちゃうよ?」

葉月が私を急かしてくる。

私はまだ下しか着替え終わっていない。

「待ってよー」

「だってあと2分でチャイム鳴っちゃうし」

「マジ!?やばい!!」

私は急いでブレザーに袖を通した。

そのとき、スカートの中でスマホが鳴っているのに気付いた。

このバイブ音は、未来予知botからの通知だ。

私がスマホを見ようとすると、

「もう、そんなのは後!あと1分しかないよ!」

「わわ、待ってよ~!」

私達は全力疾走で教室まで行った。

チャイムにはギリギリ間に合わなかった。

しかし、幸いにも先生がまだ教室に来ていなかったため、私達は遅刻扱いにならずに済んだ。

「ふー、遅刻になんなくてよかったね」

と隣の席の葉月に言うと、

「大体、こんなに遅れちゃったのはひかりがモタモタしてたからじゃん」

と葉月は頬を膨らませた。

「ごめんごめん」