「今まで、ごめんね。私…」

「そんな、ひかりは謝る必要なんてない。悪いのは俺だから…。本当にごめんな、ひかり……」

颯が私の体をぎゅっと抱いた。

颯のぬくもりが、心臓の音が、伝わってくる。

颯にも私の体温と鼓動が伝わってるのだろうか。

ちょっと恥ずかしいな。

でも、ずっとこうしていたい……。

ずっとずっと、颯を感じていたい。

「颯…」

「ひかり…」

私達は見つめあい、そして唇を重ねた。

その口付けは一瞬だったけれど、まるで永遠のように感じられた。

「……ちょっと、私の存在忘れてない?」

葉月が気まずそうに言う。

「は、葉月!そういえばいたんだった!」

「そういえばって……。そもそもひかりをここに連れて来てあげたのは私なんですけど?」

「ご、ごめん…」

「はあ、全く……」

葉月は呆れ果てている。

「あとそれと…」

「ん?」

「ありがとうね、葉月。私をここに連れて来てくれて」