私は、一週間学校を休んだ。

学校に行けば颯と田鍋さんがいる。

二人には会いたくない。

あの日から、颯からたくさんメッセージが届いたけど、一件も見ていないし返信もしていない。

コンコンと部屋の扉を叩く音がする。

「ひかり、お母さんちょっと出かけてくるからね」

「…」

「留守番、よろしくね」

「…」

「あと、レオンにちゃんと餌やっといてね」

「…」

お母さんが家を出たことを確認して、私は一階に降りて愛犬のレオンに餌をやった。

後始末をして、私はまた二階にあがった。

その後は、ずっとベッドの上でスマホを見て過ごしていた。

好きな猫動画をどれだけ見ても、全然心は晴れなかった。

ちょうどそのとき、インターホンが鳴る音がした。

「ちょっとお母さん、出てきてよ…ってお母さんは出かけたんだった」

仕方ない…出るか…。

私は重い体を起こして、玄関へ向かった。

来客は、葉月だった。

「ひかり、久しぶり」

「うん、久しぶり……」

「ずっと学校来ないから、みんな心配してるよ。…颯君も」

「…」

颯の名前を聞くと、胸が締め付けられるように痛くなる。