葉月が窓の外を見て固まっていた。

「葉月?」

私は、葉月が見ているほうと同じ方向を見た。

「………!」

そこには、キスしている颯と田鍋さんがいた。

私は、すぐさまカフェの外に出た。

「ちょっと、ひかり!」

葉月が私のことを止めようと手首を掴んできたが、私はその手を振り払って二人のもとへ向かった。

「な、なんでひかりがここに!?」

颯はものすごく戸惑っている様子だった。

他の女の子とキスしているところを彼女に見られたのだ、当然の反応だろう。

田鍋さんは、颯の隣で申し訳なさそうに私の顔を見ている。

「それは私のセリフだよ!どういうこと!?どうして田鍋さんとここにいるの!?どうしてキスなんて…。田鍋さんのことを振ったんじゃないの!?」

私は颯を問い詰めた。

「振ったって…まさか告白されてたところ見てたのか!?」

「そうだよ!私、てっきり颯はちゃんと振ってくれたに違いないって思ってたのに…。それなのに、二股したってこと!?ひどい、ひどいよ!!」