「やばい、ひかり!ここから離れよう!」

「う、うん……」

私達は二人に気付かれないようにその場を離れた。

「にしてもビックリしたね。まさか颯君と田鍋さんの告白現場なんて……」

「うん、思ってもみなかったよ……。田鍋さん、颯のこと好きだったんだね…」

私の顔を見た葉月が、私の背中を叩いた。

「もう、そんなに落ち込んだ表情しない!颯君にはひかりがいるんだよ?振ったに決まってるでしょ」

「そう………だよね…。うん……そうだね!颯が浮気だなんて、絶対ありえないもんね!」

そうは口で言うものの、私は内心不安で仕方なかった。

田鍋さんは可愛いし、私と違って頭もいい。

私よりもずっとずっと魅力的な女の子だ。

そんな田鍋さんから告白されて、颯の気持ちが揺らいでしまったかもしれない。

「ひかり、今日カフェ行こうよ。私、奢ってあげるよ」

葉月は、私のことを気にかけてくれていた。

しかし、その気遣いが余計に辛かった。