「見て」

葉月が教室の窓を指差しながら言う。

葉月の隣に行って、窓を覗いてみる。

そこには、二人の男女がいた。

「まさか…」

「そう、告白現場だよ！」

「でも、誰かわからないね。もっと近く寄ってみよう」

私達は窓のほうに接近して二人の顔をよく見てみた。

「え…」

私は二人の顔を見て、絶句した。

「嘘……なんで……。なんで、颯君と田鍋さんが………？」

颯、今日は部活が遅くなるから一緒に帰れないって言ってたのに…。

田鍋さんに呼び出されたから、私とは帰れないって伝えたの？

そんな………。

頭の中がこんがらがったまま、とりあえず私は二人の様子を見続けた。

田鍋さんが何か話していることはわかるが、一体何を喋っているのかはあまり聞こえない。

田鍋さんが長く喋ったあと、今度は颯が少しだけ喋った。

告白とやらは終わったのだろうか、二人は教室から出て行こうとしている。